よくわからないから楽しい

たまに何を言っているのかも分からなくなります

スタートアップとピボットについて思うこと

起業して最初にローンチしたサービスが当初のコンセプトのまま軌道に乗るのって、相当に稀なケース。

例えば最初のサービスをiOSアプリから開始したとして、ローンチから1ヶ月くらい経ってもある程度ユーザーが流入し続けていて、そこからのやりようによっては成長の期待が持てる。そんなスタートアップってどのくらいいると思いますか?

 

iOSアプリの95%は一瞬で圏外に消え去る

 

私はこの業界を4年ほど見てきていますが、体感として全体の5%くらいあれば良いほうかなぁと思っています。

残り95%くらいのサービスは、初日か2日目あたりを天井にしてあっという間に圏外に消えていき、そのまま2度と浮上することはない。そんなイメージです。

せっかく夢を抱いて起業したのに、一生懸命作ったアプリが公開からわずか1週間程度で圏外へ消えていく。あまりにもシビアな世界ですが、それは現実でもあります。

 

ブラウザはブラウザで集客が大変

 

じゃあネイティブアプリじゃなくてブラウザから始めたらどうなのか。

リーンスタートアップ的な観点でいうと、ブラウザから小さく始められて仮説検証サイクルを回せるサービスの方が時流としては合っているような感じはします。自分も次に何か新しいことをやるとしたら、ゲーム以外ならおそらくブラウザから始めると思う。ネイティブをやるかどうかはそこから判断しても、決して遅くないかと。

とはいえ、ブラウザはブラウザでネイティブアプリよりもさらに敷居が下がり、有象無象のサービスが日々立ち上がっている状況です。

AppStoreやGoogle Playのように、アプリの配信プラットフォームがあるわけでもない。こんな状況からサービスを軌道に乗せていくのはやっぱり容易ではありません。

 

失敗した、そしてどうする?

 

満足に集客ができなかったり、集客はできてもマネタイズが不可能であったりするサービスがどうなるか。

シリコンバレーとかならともかく、日本の場合はこの状況下でM&Aや事業売却ができるケースなんて、おそらくほとんど無いでしょう。

その場合に取り得る選択肢は、ほぼ以下に限定されます。

 

  • サービスのピボット
  • 新しく別の事業を行う
  • 会社の精算(今回は特に触れません)

 

ピボットして同じ領域で勝負する?

 

前置きが長くなりましたが、今回の話の肝はこの辺からです。

創業初期のスタートアップの戦略として、うまく行かなかったサービスと同じ領域でピボットするより、思いきって全く別の領域に舵を切った方が、成功に近づく確率って上がるような気がしています。

 

  • 位置情報 → 位置情報
  • 写真アプリ → 写真アプリ
  • 出会い系 → 出会い系
  • EC → EC

 

こういうピボットをするより、

 

  • 位置情報 → クラウドソーシング
  • 写真アプリ → BtoB
  • 出会い系 → ゲーム
  • EC → Webではない何か

 

こんな感じで全然違うジャンルにチャレンジするといった具合。

ものすごく主観なのは分かってるんですけどね。言葉にするのは結構難しいんですが、感覚的にそう思うというか、何というか。

一方で、そもそもECですごい世界が作りたくて起業した!みたいにビジョンとプロダクトが完全に一体化しているようなチームの場合はまた少し話が変わってくるような気がします。そのビジョンから方向転換する場合は、一度会社を精算してチームビルディングからやり直すべきなんだろうなと。

 

サイバーエージェントの「21世紀を代表する会社を創る」のように、ふわっとしたビジョンがあって、そのふわっとしたビジョンを実現する手段として事業が紐づいているような会社だと、こういう方向転換がやりやすそうなイメージがあります。

 

その失敗によって何を得たのか

 

「何事も失敗は大事だ!」といいますが、失敗にも質はあります。

サービスを出したという事実だけでなんとなくノウハウが貯まったような錯覚をしがちですが、ぶっちゃけた話、サービスローンチ当初からうまく行かなかったサービスってほとんど何も得られていないに等しい。

 

  • 得られるデータが少なすぎて、サービスを成功させるために本質的に必要だったものが何かがよく分からない
  • サービスローンチ後のマーケティングのノウハウも全く溜まっていない
  • 結局のところ、自分たちが開拓しようとしていたニーズが本当に世の中に存在していたのかも分からない

 

つまり、貯まったノウハウなんてほぼゼロの状態。

既存事業のノウハウや強みが活きるだろうと見込んで新規事業に参入し、盛大にコケる大企業もあったりしますが、それに近いものを感じます。ノウハウだと思っているものは、実は発想を縛る足枷だったりするわけです。

それだったら全く新しいことを始めても同じだし、むしろそういう変化を許容できるチームの方が柔軟性や可能性を感じます。

もちろんそれでうまく行くかどうかはやってみなければわからない。ダメなチームは何をやってもダメ、という見方も一理あると思うし。でも仮にもし自分が同じ立場だったら、おそらくよほどのことが無い限り、全く新しいサービスで再チャレンジするだろうなぁ。

 

すでに多数のユーザーがいる場合は?

 

これが新Foursquareだ―チェックインを分離してローカルスポット推薦サービスに生まれ変わる - TechCrunch

 

チェックインアプリの雄だったFoursquareが、サービス名はそのままにYelpのようなレコメンドアプリへとピボットしたという話。最近話題になりましたね。
(てかFoursquareってマネタイズの問題があるとはいえ、何で売却しなかったのかな?それともできなかった??)

かなり思いきった方向転換だとは思いますが、せっかくチェックイン機能をSwarmという別アプリに切り出したのに、「ローカル」というキーワードを捨てきれていない。この辺の中途半端さは正直感じる・・・。

今までのFoursquareが使われていた源泉は、ローカルスポットへのチェックインにあると考えるのではなく、社内にまだいるであろう優秀なエンジニアやマーケッターがもたらしたものと考える。その上で、彼らに賭ける。

そのくらい極端に割り切って、今までと全然違うコンセプトのサービスにチャレンジしてみても良かったんじゃないかなと個人的には思っています。

 

まとめ

 

現状の延長線に自分たちにとっての正解が無いのなら、一度どこかまで立ち戻ってでも大きく変化しなければいけない。

その際にどういう判断を下すか。そもそもゼロ付近まで立ち戻ることにOKを出せるのか。全く新しいことにチャレンジすることを、可能性として残しておくことができるのか。

創業初期に限らず、そういう局面というのは起こりうるもの。自分にとっても他人事では無いなぁと思っています。