よくわからないから楽しい

たまに何を言っているのかも分からなくなります

【名著】今さらながら『マネー・ボール』を読んでみた!

野球好きのグロースハッカーなら、やっぱりこれを読まないわけにはいかないですよね!

メジャーリーグの中でも屈指の(?)貧乏球団であるオークランド・アスレチックスが、2000年代初頭になぜ大躍進することができたのか。

選手の評価軸として打率、盗塁、防御率といった数字が重視され、資金を多く投下してそれらの”優秀な”選手を獲得する。それこそが強豪チームを作り上げる近道だと思われていた当時において、アスレチックスGMのビリー・ビーンが常識とは異なるアプローチでチーム作りをしていく過程が書かれています。

一方で、本書ではビリー・ビーンだけでなく、アスレチックスが用いた評価手法「セイバーメトリクス」の提唱者であるビル・ジェイムズ、ビリー・ビーンのチーム作りによって影響を受けたフロントや選手たちのストーリーについても丁寧に描かれていて、群像劇として読んでもとても面白い。

ドラフトの場面は当時の現場の緊張感がヒリヒリと伝わってくるし、エピローグがジェレミー・ブラウンの話で締められていたのも、読んでいるこっちが幸せな気分になれる感じがして、すごく良かったです。

 

セイバーメトリクスとは何か

 

アスレチックスが用いた評価手法である「セイバーメトリクス」の概念をとてもざっくりと説明すると、勝利や得点と関係する指標について、統計的な観点から発見しようとする考え方です。当時のアスレチックスはこの考え方に従って、例えば以下のような要素を重視してチーム編成を行っています。

 

  • 打率以上に出塁率と長打率を重視
  • 盗塁や犠牲バントなどの効果を否定
  • 高卒選手は評価を下げる

 

「太っている」「下手投げ」など、イメージだけで不当に評価を下げられている大卒の新人選手や、故障などで成績が低下して普通の球団では不要扱いされた(けれどアスレチックスの理論に照らすと十分に使える)ベテランなどを安い値段で発掘し、場合によっては高い値段で他球団で売りつけるということも、当時のアスレチックスは積極的に行っています。

さらには、セイバーメトリクス的な観点で見ると評価の低い自軍の投手について、「セーブ数」というという箔をあえて付けてから他球団に売り飛ばすという荒技を敢行したりもするのが面白い所です。

※セーブ数は勝利との実質的な関連性が薄いにも関わらず、古い価値観を持つ人々の中では高く評価されがちな指標のひとつ

 

本質に気付く人々と、眼を背ける人々

 

セイバーメトリクスが誰に受け入れられ、どのように普及していったのか。

アスレチックスが取り入れるよりずっと前から、コアな野球ファンに受け入れられていたんですね。その一方で、当事者であるMLB関係者がどうだったかというと、アスレチックスが実際に躍進して『マネー・ボール』が世に出てもなお、レッドソックスのような一部のチームを除いて頑なに否定され続けた・・・。

これはすごく示唆に富んでいて面白い話。

自分もしくは誰かが築いてきた成功体験や常識に捉われすぎて、新しくて本質的でもあるような概念を受け入れることができない。誰かがいつのまにかゲームのルールを変えた結果、勝ちパターンや負けパターンが変わってしまっていることに気付かない。

外部の人たちが指摘する客観的で本質的な事実から眼を背け続けた結果、それを受け入れて新しいルールに乗っかった人たちにどんどん先を越されていき、自分たちは無意識のうちに負けパターンに引きずり込まれている。

ビジネスの世界でもよくありますよね、こういうの。

 

世の中のルールは常に変わるもの

 

マネー・ボールが出版されたのが2003年なので、本書での話はそこで終わっています。 では躍進したアスレチックスが、その後どうなったのか。以下に挙げるのは、レギュラーシーズンの勝率です。

 

  • 1998年 .457
  • 1999年 .537
  • 2000年 .565
  • 2001年 .630
  • 2002年 .636
  • 2003年 .593
  • 2004年 .562
  • 2005年 .543
  • 2006年 .574
  • 2007年 .469
  • 2008年 .466
  • 2009年 .463
  • 2010年 .500
  • 2011年 .457

 

ご覧の通り、2000年代後半に入ると再び苦戦を強いられることになります。

それはなぜか?

勘が良い人ならすぐにお分かりでしょうが、他球団がアスレチックスと同じ手法を取り始めたからです。出塁率や長打率が良い打者の評価が高騰し、不当に低い評価の選手を安く発掘するというそれまでの手法が通用しなくなった。

つまり、またしてもゲームのルールが変わったということです。しかも金満球団(かつセイバーメトリクスを重視する球団)が再び有利になるように。

そんな中で、相変わらず予算に限りがあるアスレチックスがどのような戦略を取ったかというと、以前は彼ら自身が否定していた盗塁や犠牲バントを行うようになったり試行錯誤を繰り返しているようです。

 

  • 2012年 .580
  • 2013年 .593

 

勝率を見ても、一定の効果は出ていますね。

出塁率や長打率が重視されるというのが今も本質な要素であるなら、この2年間の勝率の改善は一過性のものである可能性があります。別の見方として、選手の体格や技術が変わってくる中で、アスレチックスはすでに別の何かを掴んでいて、ルールを変えようとしているのかもしれません。

いずれにしろ、負けパターンに引きずり込まれないようにするために、2014年現在において最適で本質的なアプローチをアスレチックスが模索し続けているということだけは明確です。

 

「不公平なゲームに勝利する技術」

 

『マネー・ボール』の原題は『Moneyball: The Art of winning An Unfair Game』(不公平なゲームに勝利する技術)です。

ベンチャーと大企業とでリソースが異なることもあれば、ある日を境にルールが変わることもある。そういうビジネスにおける不公平さや不確実性を、ベースボールの世界に凝縮したのがこの本。

結論としては、文句無しに素晴らしい内容です。なんで今まで読んでなかったんだろうって後悔するくらい。

ついでに言うと、翻訳も素晴らしいです。2011年にブラッド・ピット主演で映画化されているので映像作品として知っている人も多いと思いますが、ぜひ書籍の方も読んでみてください!

 

マネー・ボール〔完全版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

マネー・ボール〔完全版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 

なんだか高校野球まで息苦しくなってきた件

今年の夏の高校野球、例年にも増して変なところで騒がしくないですか? 

甲子園マネージャーの「おにぎり2万個」は社会問題!?ネットで炎上発生 - NAVER まとめ

「超スローボール」批判の岩佐フジテレビ元アナ 「世の中をなめた」部分は余計、本人に直接謝罪も : J-CASTニュース

<高校野球>健大高崎は“暗黙のルール” を破ったのか | THE PAGE(ザ・ページ)

高校野球では登板過多とか熱中症の問題とか、試合の内容以外でも毎年いろんな問題がクローズアップされますが、それにしても今年は「なんだかなぁ」っていう案件が多くて辟易しています。

個別の話に賛成とか反対とかではなく、わざわざ焚き付けるメディアとそれに乗っかる人たちに辟易してるって話です。当人たちがどう思っているかを勝手に慮って、ターゲットを見つけてボコボコにする。

「暗黙のルール」の話なんか、高校野球で暗黙のルールを肯定する人なんてごく少数派というか、ほとんどいないと思うんですよ。記事中の発言の出所を調べると一般人の独り言レベル。それを「いくつかあるうちの代表的な批判」であるかのようにあげつらう(※)ことに、どれだけの意味があるのか。最後の一文を読むと筆者自身の問題提起であるように見えなくもないけど、だったらなおさら、攻撃の矛先が別の一般人に向かうように仕向けるのはおかしいわけで。 

(※)あげつらう=物事の理非、可否を論じ立てる。 また、ささいな非などを取り立てて大げさに言う

健大高崎の姿勢を賞賛するだけなら気持ちの良い記事になるはずなのに、わざわざ仮想の敵を作ることで話題にしようというメディア側の意図が透けて見える。それがまたすごく気持ち悪いし、モヤモヤする。

燃やしているその時は無敵モードで楽しいかもしれないけど、その煙が結果的に自分たち自身の息苦しさにつながるという悪循環。

SNSの摂理みたいなものなのかもしれないけど、どうにかならないのかねぇ・・・。

ネットの息苦しさは今に始まったことじゃないけど、自分が好きな野球にまでこういう傾向が顕著になってきたのが残念でしょうがない。

試合内容で盛り上がったり、将来性のある選手が発掘されたり。そういう所での面白い話題がもっと出てくることに期待しています。

 

『アナと雪の女王』がヒットしたのって、97%くらい松たか子のおかげだと思ってたけど

公開直後のことだと思うんですが、テレビをつけたら松たか子さんの『Let It Go』が偶然流れてて、ものすごい衝撃を受けたんですね。

もう一度聴いてみたいなと思って、Youtubeで検索してリピートしちゃうくらい。普段そういうことはしないんですが。


『アナと雪の女王』ミュージック・クリップ:Let It Go/エルサ(松たか子) - YouTube

うん、何度聴いてもやっぱりいいね!!(強調) 

『明日、春が来たら』で歌手デビューした頃と比べても、かなり情感ある歌い方になっていてビックリした記憶があります。

自分もですが、この『Let It Go』を耳にしてヒットを予感した人って多いんじゃないでしょうか。ヒットどころか社会現象にまでなっちゃって、さらにビックリですよね。

この映画の成功要因の97%くらいは松たか子のおかげだと、つい昨日までは思っていました。

 

ここからなぜか書評

 

今日この話題を取り上げたかったのは、この本を読んだからです 笑

広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。

広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。

  • 作者: 本田哲也,田端信太郎
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2014/07/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

タイトルからわかるように、マーケティング本です。LINEの田端さんが共著ということもあって、自分の周りでもかなり話題になってます。

この本の切り口はざっくり言うと2つに集約されます。

旧来型のアプローチは通用しない(=あきらめなさい)

インターネットの普及、SNSの台頭、人々の生活習慣の変化などによって、情報媒介の主導権は発信者サイドではなく受信者サイドに移った。だからもう旧来型のアプローチは通用しないよ、という話。

「旧来型」というのは単にテレビの広告枠を使うなみたいな表層的な手段の話ではなく、本質的なユーザー心理を理解せずに、傲慢で押し付けがましいアプローチをすること全般を指しているようです。

人が動く本質的な理由は、その人数によって異なる

  • 1000人
  • 1万人
  • 10万人
  • 100万人
  • 1000万人 アナ雪
  • 1億人
  • 10億人

これらの単位で実際に人が動いたケースを例示するとともに、その本質的な理由や動機について考察しています。アナ雪は1000万人を動かした事例として、主にPART3の章で触れられています。

 

松たか子の力だけでは1000万人は動かない

 

この本では、アナ雪が人々の心を動かした大きな要因として「解放を求める心」を挙げています。

日本の女性の生き方が多様化する中で、それぞれの人がいろんな葛藤のはざまにいる。もっと自由に自分らしく、ありのままの自分で生きたいという本音に『アナと雪の女王』と『Let It Go』が刺さった。つまり、人々が動き始める「ココロの沸点」を超えた・・・。

うーん、どうなんだろ(え?

それが1000万人を動かす大きな理由なのかなぁというと、ちょっと「?」な感じがしなくもないんですが、この本を読んで明確に腹落ちしたことがあります。

この本に書かれている1000万人が動くPOINTによると、「松たか子の歌、いいなぁ」レベルでは、さすがにそこまでの人数は動かない。1000万人を動かすためには、自分の体験に置き換えられるような、別のエネルギー増幅装置もやっぱり必要。

そのエネルギー増幅装置が何なのかというと、「解放を求める心」以外にも深層心理部分の要因があるような気がするんだけど、まだ自分の中で答えは出てない。もっと掘り下げてみたいところではあります。

 

まとめ

 

ちゃんとヒット要因を分析するなら、「アナ雪は97%くらい松たか子のおかげ」みたいに単純化しすぎるのは論外として、「あれは有効だった、これはそうでも無かった」みたいにただずらずらと並べるだけでも不十分

人が動くそれぞれの単位において、どのような理由があったのか、それぞれのフェーズで何が増幅装置として機能したのか。そこまで整理して考えなければいけない。

「広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。」はその論理展開にとても納得感が持てる本です。ぜひ読んでみてください。

 

実はいまだに『アナと雪の女王』を観ていないのに、こんな記事書いちゃってすいませんでした。

 

スタートアップとピボットについて思うこと

起業して最初にローンチしたサービスが当初のコンセプトのまま軌道に乗るのって、相当に稀なケース。

例えば最初のサービスをiOSアプリから開始したとして、ローンチから1ヶ月くらい経ってもある程度ユーザーが流入し続けていて、そこからのやりようによっては成長の期待が持てる。そんなスタートアップってどのくらいいると思いますか?

 

iOSアプリの95%は一瞬で圏外に消え去る

 

私はこの業界を4年ほど見てきていますが、体感として全体の5%くらいあれば良いほうかなぁと思っています。

残り95%くらいのサービスは、初日か2日目あたりを天井にしてあっという間に圏外に消えていき、そのまま2度と浮上することはない。そんなイメージです。

せっかく夢を抱いて起業したのに、一生懸命作ったアプリが公開からわずか1週間程度で圏外へ消えていく。あまりにもシビアな世界ですが、それは現実でもあります。

 

ブラウザはブラウザで集客が大変

 

じゃあネイティブアプリじゃなくてブラウザから始めたらどうなのか。

リーンスタートアップ的な観点でいうと、ブラウザから小さく始められて仮説検証サイクルを回せるサービスの方が時流としては合っているような感じはします。自分も次に何か新しいことをやるとしたら、ゲーム以外ならおそらくブラウザから始めると思う。ネイティブをやるかどうかはそこから判断しても、決して遅くないかと。

とはいえ、ブラウザはブラウザでネイティブアプリよりもさらに敷居が下がり、有象無象のサービスが日々立ち上がっている状況です。

AppStoreやGoogle Playのように、アプリの配信プラットフォームがあるわけでもない。こんな状況からサービスを軌道に乗せていくのはやっぱり容易ではありません。

 

失敗した、そしてどうする?

 

満足に集客ができなかったり、集客はできてもマネタイズが不可能であったりするサービスがどうなるか。

シリコンバレーとかならともかく、日本の場合はこの状況下でM&Aや事業売却ができるケースなんて、おそらくほとんど無いでしょう。

その場合に取り得る選択肢は、ほぼ以下に限定されます。

 

  • サービスのピボット
  • 新しく別の事業を行う
  • 会社の精算(今回は特に触れません)

 

ピボットして同じ領域で勝負する?

 

前置きが長くなりましたが、今回の話の肝はこの辺からです。

創業初期のスタートアップの戦略として、うまく行かなかったサービスと同じ領域でピボットするより、思いきって全く別の領域に舵を切った方が、成功に近づく確率って上がるような気がしています。

 

  • 位置情報 → 位置情報
  • 写真アプリ → 写真アプリ
  • 出会い系 → 出会い系
  • EC → EC

 

こういうピボットをするより、

 

  • 位置情報 → クラウドソーシング
  • 写真アプリ → BtoB
  • 出会い系 → ゲーム
  • EC → Webではない何か

 

こんな感じで全然違うジャンルにチャレンジするといった具合。

ものすごく主観なのは分かってるんですけどね。言葉にするのは結構難しいんですが、感覚的にそう思うというか、何というか。

一方で、そもそもECですごい世界が作りたくて起業した!みたいにビジョンとプロダクトが完全に一体化しているようなチームの場合はまた少し話が変わってくるような気がします。そのビジョンから方向転換する場合は、一度会社を精算してチームビルディングからやり直すべきなんだろうなと。

 

サイバーエージェントの「21世紀を代表する会社を創る」のように、ふわっとしたビジョンがあって、そのふわっとしたビジョンを実現する手段として事業が紐づいているような会社だと、こういう方向転換がやりやすそうなイメージがあります。

 

その失敗によって何を得たのか

 

「何事も失敗は大事だ!」といいますが、失敗にも質はあります。

サービスを出したという事実だけでなんとなくノウハウが貯まったような錯覚をしがちですが、ぶっちゃけた話、サービスローンチ当初からうまく行かなかったサービスってほとんど何も得られていないに等しい。

 

  • 得られるデータが少なすぎて、サービスを成功させるために本質的に必要だったものが何かがよく分からない
  • サービスローンチ後のマーケティングのノウハウも全く溜まっていない
  • 結局のところ、自分たちが開拓しようとしていたニーズが本当に世の中に存在していたのかも分からない

 

つまり、貯まったノウハウなんてほぼゼロの状態。

既存事業のノウハウや強みが活きるだろうと見込んで新規事業に参入し、盛大にコケる大企業もあったりしますが、それに近いものを感じます。ノウハウだと思っているものは、実は発想を縛る足枷だったりするわけです。

それだったら全く新しいことを始めても同じだし、むしろそういう変化を許容できるチームの方が柔軟性や可能性を感じます。

もちろんそれでうまく行くかどうかはやってみなければわからない。ダメなチームは何をやってもダメ、という見方も一理あると思うし。でも仮にもし自分が同じ立場だったら、おそらくよほどのことが無い限り、全く新しいサービスで再チャレンジするだろうなぁ。

 

すでに多数のユーザーがいる場合は?

 

これが新Foursquareだ―チェックインを分離してローカルスポット推薦サービスに生まれ変わる - TechCrunch

 

チェックインアプリの雄だったFoursquareが、サービス名はそのままにYelpのようなレコメンドアプリへとピボットしたという話。最近話題になりましたね。
(てかFoursquareってマネタイズの問題があるとはいえ、何で売却しなかったのかな?それともできなかった??)

かなり思いきった方向転換だとは思いますが、せっかくチェックイン機能をSwarmという別アプリに切り出したのに、「ローカル」というキーワードを捨てきれていない。この辺の中途半端さは正直感じる・・・。

今までのFoursquareが使われていた源泉は、ローカルスポットへのチェックインにあると考えるのではなく、社内にまだいるであろう優秀なエンジニアやマーケッターがもたらしたものと考える。その上で、彼らに賭ける。

そのくらい極端に割り切って、今までと全然違うコンセプトのサービスにチャレンジしてみても良かったんじゃないかなと個人的には思っています。

 

まとめ

 

現状の延長線に自分たちにとっての正解が無いのなら、一度どこかまで立ち戻ってでも大きく変化しなければいけない。

その際にどういう判断を下すか。そもそもゼロ付近まで立ち戻ることにOKを出せるのか。全く新しいことにチャレンジすることを、可能性として残しておくことができるのか。

創業初期に限らず、そういう局面というのは起こりうるもの。自分にとっても他人事では無いなぁと思っています。

 

「ベンチャー企業だと思って入社したのに・・・」が25000PVに達したので振り返りとかを少々

まずはお礼から。

ベンチャー企業だと思って入社したのに、ただの零細企業だった・・・

先週書いたこの記事ですが、おかげさまでたくさんの人に読んでいただきました。どうもありがとうございます。

このブログ自体は普段からオピニオン的な記事も書いていたりするので、上記の記事の中身が特段いつもと違うということは無いと思います。タイトルだけちょっと煽り気味になっていますが、どちらかというとこの記事はタイトルありきだったんですよね。

こういうミスマッチを起こしている人って少なからずいそうだなぁって思って、その原因になりそうな要素を自分なりに言語化するために、中身となる記事を書いてみた。そんな感じです。

 

一瞬でバズって一瞬で元に戻った

 

このブログは6月中旬くらいから始めています。記事を更新した日でも多くて600PVくらいです。

そんな弱小ブログのPV数が冒頭の記事でどうなったか。それがこちら↓

8/6(水) 28 更新無し
8/7(木) 12,237 → 前日比 437倍 笑
8/8(金) 13,315
8/9(土) 1,699 更新無し
8/10(日) 477 更新無し

 


グラフにすると強烈だな・・・。

 

当初は金曜に公開しようと思っていたんですが、こういうタイトルということもあり、なんとなくバズりそうな予感がしたんですね。でもって、土日にアクセスが落ちるのもこれまでの傾向からも明らかだったので木曜公開に変更した結果、こんな感じになりました。

単純に考えると、バズりそうな記事は月曜に公開するのがいいのかな?

もっとも、100とか1000くらいのPV数を見込むレベルの記事であれば、平日ならいつ配信してもあまり変わらないような感じもします。計算が強く働き始めると、よくある炎上によるPV稼ぎ系の記事が出来上がったりもしそうなので、ほどほどが良さそうですね。

流入経路について、はてぶのホットエントリーGunosy砲によるインパクトがとにかく凄かった!FacebookやTwitterからも一定数のアクセスはありましたが、前者の2つは抜きん出ていました。

 

多方面からリアクションがあるのがすごく新鮮で楽しい

 

これだけPV数があれば、読んでくれた人のリアクションもさまざまです。

普段私のブログを見に来るのはネット業界近辺の人が中心ということもあり、意見や感想といったフィードバックにその辺の偏りを感じることも少なからずあります。

自分が所属する狭い世界だけでなく、その外側にいる人たちからリアクションが貰えたのはとても貴重な経験でした。

はてぶのコメント欄から、いくつかパターンに分けて抜粋してみます。

 

■ 同意・あるある系

 

ヴィジョンのあたりは確かにそうかも

非常によくある。IT企業だと思ったらただの派遣企業だったり、大企業だったと思ったらブラック企業だったくらいによくある。

ベンチャーの定義にとても同意。成長できそうなトコに行くより、そこで何を為して、その結果己を成長させるかの順番で考えた方がいいんじゃないかな。

 

■ 「自分も体験あり」

 

ああ、確かに自分のいたベンチャーはビジョンがしっかりあって行動規範もビジョンに忠実だったなあ

これはある。というかそうだった。判断するのは難しいけど、人事じゃなくてエンジニアの人と複数人会わせてもらうのがいいと思う。

社員レベルに伝わってるビジョンがゼロのところにいたからよくわかる

 

一般論ですが、自分の体験と重なるような記事ってシェアしたくなりますよね。

 

■ 否定とか疑問とか

 

新卒で企業を外から判断するなんて無理でしょ

さすがに感覚でわかりそうなもんだが

ビジョンもクソも「学生に身の丈の合わない夢見させて入社させた後こき使う仕組み」がしっかりしてるかそうでないかの違いでしょ。そもそもネームバリューのない中小企業がちゃんと使える新卒取るにはこれが全て。

 

■ さらに否定的な見解(完璧であったり明朗な答えを要求する人々)

 

こんなもん、間違えるやつはどんな定義を言われても間違えるわけよ。「ビジョン」などというあいまいなどうとでもいえる言葉じゃなくって、企業を見極めるためのきちんとした指標でも書いてやらんと意味がない

ううむ、ビジョンを持ってるだとか目が死んでるだなんて主観でしか無く、定量化できないのなら、成長できるだとか裁量が大きいとかと大して変わらないような気が。

成長を何と捉えるかで大きく文脈が変わるよね。雑務も含めて自分で決めて動けるのも成長だし、技術にフォーカスして新しい言語でサービス作りまくるのも成長。話の主語が大きすぎるしピントもずれてる気がする。

 

このリクエストにきっちり応えようとしたら、本の1冊でも書けそうな気が・・・。ブログの1記事程度のボリュームにそこまでは盛り込めないかな。

 

■ コメ主が思う「ベンチャーの定義」

 

そもそもベンチャー=零細

ビジョンじゃなくて、成長率かせめてビジネスモデルじゃないのか。

「どっかから投資受けてる&短期間期限付きで成果を求められてる」この条件に当てはまらなかったら全部零細でOK。

 

記事の主旨でもあるんですが、大事なのは「ベンチャーに入りたい」と思っているその人自身が、「ベンチャーとは何か」をちゃんと定義して見極めること。何をベンチャーだと思うかは人それぞれでいいんじゃないでしょうか。

 

■ 企業の見極め方

 

ただの中小が意図的にベンチャー風味を装ってることはあるので、面接で聞いてしまうのが早い気がする

就活するときに耳障りのよい言葉を思考停止して受け入れるのは良くないと思っています。

サンダル履いてるのがベンチャー。

 

■ その他いろいろ

 

零細企業でも幸せになれるのが当たり前であってほしいねぇ。

すき家はベンチャー企業ですかね(ゲス顔)

ベンチャーは入るべきものじゃなくて、作るべきものなんだろうね

 

■ おまけ

 

タイトルが秀逸ッス

→ ありがとうございます(^_^)

 

まとめ

 

たくさんの人に記事を読まれた結果、TwitterやFacebookで粘着される。そんなケースを頻繁に目撃していたので、PV数のカウンターが見たことの無いスピードで上昇していくのを見て、「こ、今度は自分がその当事者になっちゃうのか!?」と正直少し不安ではありました。

はい、チキンです。でもマジで怖いんだからね! 

あからさまなPV狙いの炎上記事を書いているブロガーさんもいますが、よほど肝が座っているか、感覚が麻痺してないとできないですよ、アレ・・・。

そんなこんなで、周りの人が 面白がって 心配してくれていたのですが、特に身の回りに変化は無く、おかげさまで今日も平和に過ごせています。 

個人として発信したコンテンツがこんなに多くの人の眼に触れるなんて経験、今までしたことがありませんでした。自分はインターネットに仕事で関わる人間でもあるので、そういう意味でもかなり貴重な体験ができたんじゃないかと思います。

とりあえず言えるのは、ブログって楽しいねってことかな!
(雑なまとめですいません)

 

今日の仕事の切り上げ方(気分よく帰る)

いつもは終バスの時刻から逆算して、だいたい22:00過ぎくらいに退社するような生活をしています。仕事のエンジンが掛かり始めるのが遅いタイプなので、夕方くらいから帰るまでにガーッと一気にやり続ける感じ。

ただそのやり方だと、仕事を中途半端に切り上げないといけなかったりするんですよね。

中途半端にした結果、積み残しの課題をどうやって解決しようか悶々と悩みながら帰ったり、ちゃんと眠れなかったり。家で続きをやることも、もちろんあります。

 

気分良く帰る

 

それは今週月曜の出来事。

その日は20:00くらいまでに自分でも納得できる良い仕事ができて、すごくいい気分だったんです。で、このいい気分を残したまま火曜の仕事に取りかかりたいなぁと何となく思って、難しい仕事はそこで打ち止めにしたんですね。

残りの時間は興味のある調べものをしたりとか、社内の分析データをゆるく眺めたりとか、そんな感じ。
(早く帰れよ!って話もあるけど、早く帰ってもやることが無いのでw)

その日はいい気分のまま家に帰り、翌日は朝からその精神状態でスタート。夜になったら、帰り道でいい気分になれそうな仕事を選んでそれに取り組み、ちゃんとやり切って帰る。

これを試しに1週間繰り返してみたんですが、朝も気持ちよく起きられるし、生活リズムにも良い変化が出て結構ビックリしてます。

 

ただ仕事に区切りを付けて帰るのとはちょっと違う

 

単に、自分が決めた時間までにちゃんと仕事を終わらせて帰るというのとはちょっと違う話。

今日もグロースハックに繋がる発見があって良かったなぁとか、ちょっと作ってみたかった機能を実現できて良かったなぁといった、ささやかな喜びと共に帰るイメージ 笑。

メンタルの健康はフィジカルの健康にも繋がります。たまにはこんな感じの余裕も持ちながら、メリハリをつけて仕事に取り組みたいです。

そんな気付きがありました、という報告でした。
今週もお疲れさまでした。

 

ベンチャー企業だと思って入社したのに、ただの零細企業だった・・・

タイトルで釣っているような感じになっちゃってますが、体験談じゃないです。すいません。

会社を経営する理由なんて人それぞれでいいじゃんと思っているので、零細企業=悪ということが言いたいわけでもありません。ミスマッチという悲劇を防ぐために、企業を見る眼を養おうというのがこの話の主旨です。

で、本題。

ベンチャーといっても当然ピンキリなわけで、大企業と比べて裁量が大きそうとか成長できそう、みたいに単純化するのはちょっと危うい。

特に新卒の人。新卒カードは未だ日本では大きな影響力を持っています。加えて、まだ社会人としての経験がほとんど無い中で、企業の善し悪しを見るための判断材料も乏しい。

そんな中で「ベンチャーだと思って大手を蹴ってまで入社したのに、実態はただの零細企業だった・・・」みたいな事態になってしまったら、やっぱり自分の判断を後悔する部分も出てきちゃうんじゃないかと思います。

「ベンチャー」や「スタートアップ」の定義について、世の中の共通理解として一般化するまでの必要性は別に感じないんですが、就職先としてそういった会社を検討しているなら、その人の中での定義付けというか、判断軸くらいは持っておいた方が良いんじゃないでしょうか。

 

ベンチャー企業って何だろうね

 

これはあくまで私個人の判断軸であって一般論ではないということを書いておきますが、自分の眼から見て「ベンチャーだなぁ」と思うのは以下の要素がある会社です。

 

  • 世の中を大きく変えるようなビジョンを持っている
  • ビジョンを実現するためのサービスや仕組みがある
  • ビジョンが文化レベルで社内に浸透している

 

ビジョン、
ビジョン、
ビジョン。

ビジョナリーであって、それが単なる建前になっていない(ように見える)のが自分が思うベンチャー企業。すごくシンプルだけど、これだけ。会社の規模や年数はあまり関係無いかも。

似たような言葉で「スタートアップ」というのもあるけど、ベンチャーの中でも社歴が比較的浅い会社、くらいにしか思っていません。

 

ベンチャー企業じゃなさそうな会社

 

上の話を言い換えると、ビジョンが無い、もしくはビジョンが形骸化している会社はベンチャーじゃないということになります。

会社の共通言語としてのビジョンが無い会社はまだ分かりやすいですが、ほとんどの会社にはビジョンもしくは理念と呼ばれているものがあるわけで、その本質を見極める必要があります。

表向きにどれだけ崇高なビジョンを掲げてみたところで、その会社のメンバーがそれを実現したいと本気で思っていなければ何の意味も無い。

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作ってみたプロダクトがそこそこうまく行って、人もそこそこ集まったものの、目指すものがバラバラで人が離れ始めた。そこで初めてビジョンを作った。
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特にこういう会社はビジョンが最初から形骸化している可能性が高い。

ビジョンは「この会社は何を成し遂げるのか」を定義するもので、それは創業当初からあって然るべき。それが無くて、会社に対してそれぞれ異なるイメージや期待を持って入ってきた人たちに対して、「うちの会社はこういうビジョンだから」と後付けで宣言してみたところで、共感を得るのはなかなか難しいんじゃないかなぁ。

ベンチャーらしいベンチャーに居た人なら直感的に判断できそうな感じはしますが、普通に外から見ているだけだと、ビジョンが形骸化しているかどうかって分かりづらい部分はあると思います。ベンチャーっぽい会社に在籍している人、できれば経営者の話をたくさん聞いてみて、見る眼を養うしか無いのかも。

とりあえず分かりやすい判断材料として、中の人の眼が死んでる会社や、笑顔はあるけど眼が笑っていないような会社は地雷である可能性が高いです。

 

「規模が小さい=成長できる」「規模が小さい=裁量が大きい」では無い

 

自分はずっとベンチャー側(といっても起業する直前に居た会社は、辞める直前には2000人くらいまで成長してたけど)にいる人間ですが、ベンチャーだから成長できるとも、大手だから成長できないとも思いません。同様の話で、「ベンチャーであること」と「裁量が大きいこと」も無関係です。

裁量が大きいかどうかは結局のところ企業文化(もしくはマネジメント)次第で、ベンチャーでもトップダウンばかりで現場に考える余地がほとんど無い会社もあれば、大手であっても現場の裁量が大きい会社だって当然あります。

仕事のルールや流儀がきっちり決まってる大手企業で成功体験を積んできた人が起業した結果、それと同じやり方を踏襲して現場の裁量を狭めている、みたいな例もあります。

マネジメント経験を持たずに起業した創業者のもとで、現場が混乱するという例もあります。

それぞれの起業家のもとでうまく仕組み化されている事例だって、もちろんたくさんあります。

繰り返しですが、「ベンチャーであること」と「裁量が大きいこと」は無関係です。その一方で、裁量の大きさや、組織の中で大きなチャレンジができるかどうかという話と、それが成長に繋がるかどうかという話には、かなり関連性があると思っています。

成長したいからベンチャーへ、と何となく思っている人は、大手とかベンチャーとかでひと括りにするよりも、自分が成長できる場所がその環境に本当にあるのかという視点を大事にしてほしいです。

冒頭で書いたような悲劇を防ぐためにもね。